【着物を学びたいと思ったきっかけ】
私は今は着物が好きですが、昔から着物が好きだったわけではありません。
七五三のときは着付が苦しくて美容室で吐き、七五三の写真は全て不機嫌顔。成人式には出席せず、振袖も着ませんでした。
結婚するときは身内だけの式でしたので、アーメンとキスではないな思い、白無垢の花嫁衣装を着ましたが、やはり着物は『重い、苦しい、大変』そんな印象でした。
美容の仕事を始めて、地元の美容院で成人式や卒業式のメイクアップをお手伝いするようになった頃、次第に和装の美しさや、着付師さんたちの素晴らしい技術に憧れを抱き始めましたが、当時の私にとってはまだ遠い遠い別世界でした。
2009年4月、末期癌で他界した母の葬儀の日、父に勧められて母の喪の着物を着ることになりました。
叔母に着付けしてもらい、着崩れる度に直してもらいながら、何とか着物で一日を過ごすことができましたが、ぐだぐだの着物姿で母を送ることになってしまったのは、とても心残りでした。
『やっぱり大人の女性としてこれはマズイ。着物を一人で美しく装えるようになりたい。』そう思いました。
その後、エステにお越しいただいた着物の先生のA子さんに、着物を勉強したいとお伝えしたしたところ、『もうすぐ着物の大会がある』、『恭子さんは背が高いし体力がある』、『絶対に全国大会に行ける』という、よくわからないお話しになっていきました。
でも、どうせやるなら目標があった方が面白いと思い、A子さんのお背中をオイルマッサージをしながら、私は着物の大会に出場することを決めました。
家から車で15分ほどの場所にある、装道礼法きもの学院分院の中居先生をご紹介いただき、私はそこで着物の着装を学ぶことになりました。
私は大会のDVDを見させていただき、とんでもない事を引き受けてしまったと、本気で後悔しました。関東大会まで、4ヶ月。
【2010年全日本きもの装いコンテスト】
着物の大会は、鏡の無い舞台の上で、襦袢に着物を羽織った状態から、数分できものを装う技術や、立居振舞の美しさを競います。女性の部は『振袖』『留袖』『カジュアル』の3部門がありますが、私はその中の『留袖』に出場することになりました。
留袖は、一般的には結婚式の時にお母様が着る、ミセスの第一礼装。着物や帯、お道具を全部揃えるのに幾らくらいかかるんだろうとドキドキしましたが、先生方が上手に手配してくださり、びっくりするくらいお安い価格で一式揃えることができました。
5回目のお稽古で、留袖を全部一人で着ることができました。一人で着物を着ることができた感動は、今でも忘れられません。
7回目のお稽古からタイムを計り始めました。着物を羽織った状態から着付け終了まで約10分。
8回目のお稽古で、約9分。仕上がりの綺麗さは、置いといて。目標は5分。優雅に早く綺麗に。
ぜんぜんできなかったことが、できるようになるのは単純に嬉しかったです。
家でも時間を作って練習しました。中古品の帯はボロボロになり、何度も縫いました。
練習を重ねる内に、『舞台で恥をかかない程度にがんばろう』ぐらいの気持ちから、『先生と応援してくれる方々の時間と想いに応えたい』という気持ちになり、『どうせなら、一番になろう。絶対一番になる。』という決意に変わっていきました。
想ったもん勝ち。やっちゃえ、なっちゃえ。
と言う訳で、私は予選の関東大会をトップで勝ち抜き、2010年全日本きもの装いコンテストでも、留袖の部で一番になりました。母の葬儀から約1年後のことでした。
そのときの着装映像があります。緊張して手が震え過ぎて最初出遅れますが、帯で巻き返します。今見ても、心臓がバクバクします(笑)
表彰式では8分30秒くらいで名前が呼ばれます。
中居先生のお時間、応援してくださった方々の想い、ご縁、見えないお力、時の運。まだまだ、私はピヨピヨのひよっこで、恩返しがしきれませんが、初心を忘れずに日々精進してまいります。
近日の大会予定です。
チケットご予約受付中(全席指定1500円)
『全日本きもの装いコンテストの関東大会』
2017年11月26日(日)←なんと、私の誕生日♡
土浦市民会館大ホール 1,182席
http://www.kimono-consul.org/contest/contest_2018.html
チケットご希望の方はご連絡くださいませ。全席指定1500円です。ご来場お待ちしております♪