すまふくマガジン

介護人材が不足しているって本当?

更新日 : 2021.12.07

一般社団法人 日本介護協会の理事長をしております、平栗潤一と申します。

初めてのコラムですので簡単に自己紹介をさせて頂きます。
私たち、日本介護協会の主な取り組みは、『介護甲子園』です。
日本の介護業界は、深刻な人材不足な状況と言われています。そこで介護職員の離職率低下や人材不足の解消、介護職の魅力発信のために介護甲子園というイベントを作りました。日本全国の介護事業所の皆さんが日々の取り組みを発表し、介護の魅力を再認識するというイベントをおこなっています。

【第十回介護甲子園】
 Youtube動画:https://youtu.be/uAkFsJNj7WM

この介護甲子園以外にも介護施設を経営しています。
そこで、ここでは「今、体は元気だけど介護が必要になった時、将来自分も介護施設に入れるのだろうか……?」と不安に思う方に向けて、情報をお伝えできればと思います。

「いずれは私も…?」将来に対する高齢者の不安な思い

今は元気に暮らしている高齢者の方でも、きっと頭の隅には「自分もいつかは介護サービスを利用することになるのでは?」という思いもあるでしょう。しかしテレビで流れるニュースや新聞に目を通せば、「介護人材の不足」「介護難民」などの暗い言葉が目立ちます。

きっと多くの高齢者の方が、自分の将来に対する大きな不安を抱えていることでしょう。少し具体的な数字を交えながら、今の介護業界の現状をお伝えします。

介護人材の不足と政府の取り組み

結論をいえば、現時点で生活の中で介護を必要とする「要介護(要支援)認定者数」に対して、介護職員数は不足してしまっている状況です。

厚生労働省の発表によると、介護業界を支えるために必要な人材数は以下の通りです。

・2016年度…190万人
・2020年度…216万人
・2025年度…245万人

イメージ

2016年度時点での実際の介護職員数は、183,3万人とおよそ6万人の介護職員が不足しています。さらに、今後も年間6万人ほどの介護職員の確保が必要だと考えられているのです。


政府は介護人材の不足を補うために、次のような取り組みをしています。

・介護職員の処遇改善
・多様な人材の確保・育成
・離職防止・定着促進・生産性向上
・介護職の魅力向上
・外国人材の受入環境整備

介護職員の待遇改善などに力を入れていますが、いまだに介護職員の確保が追いついていないのが現状です。

「施設への入居」だけではない!介護サービスの種類

多くの方は、介護サービスを利用すると考えたとき、介護施設への入居を考えがちです。しかし、介護サービスには施設へ入居する「施設サービス」だけでなく、自宅で生活しながら受けられる「居宅サービス(在宅サービス)」も存在します。

・訪問介護
・訪問看護
・訪問入浴介護
・訪問リハビリテーション
・デイサービス
・デイケア

など……

特に施設サービスのひとつ「特別養護老人ホーム」は、入居を希望しても順番待ちの状態となる待機者は増える一方……。しかし居宅サービス(在宅サービス)を利用することで、無理に施設へ入居せずとも自宅で適切な介護を受けながら生活することも可能なのです。

安易に「いつかは自分も施設へ入居することになるのだろう……。」と考えず、自宅で過ごしながら介護を受けるという選択肢があることを知っておくことが大切ですね。

からだが元気なうちから始める介護予防!
頭を悩ませずに済む1番の方法は、いつまでも元気に生活できる身体を維持することです。もちろん、年齢を重ねれば身体が老いてしまうのは避けられないこと……。しかし、まだ身体が元気なうちから日々の食生活に気をつけたり、運動を取り入れるなどして健康な身体を1日でも長く維持することはできます。

そんな介護予防を生活に取り入れながら自分が将来どんな介護サービスを利用したいのか、考えてみてはいかがでしょうか。

私も介護業界に携わる一員として今と、そしてこれからの介護業界を支えていけるよう情報発信していければと思います。

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